ヴィオラとは?(ヴァイオリンとどう違う)
ヴィオラは1535年頃、北イタリアでヴァイオリンおよびチェロと同じ時期に作り出されたといわれている。調弦はヴァイオリンよりも5度低く、C(ド)、G(ソ)、D(レ)、A(ラ)である。
理想のサイズ
ヴィオラはヴァイオリンと同様に、顎にはさんで演奏するため身体条件に制限されて理想の大きさの楽器を作ることができない。
理想的にはヴァイオリンの3/2となるべきなのでこの計算でいくと胴の長さは約53cmとなる。
チェロのような演奏形態をとる楽器であるならば、比較的自由な大きさの楽器を作ることができるが、保持する際の腕の長さに限度があるために特に最低弦のC 線を理想的に鳴らすほどの大きさのヴィオラを作ることが不可能であった。そのため、アンドレア・アマティやガスパロ・ダ・サロなどの偉大な製作家達も様々 なサイズのヴィオラを作っている。
ヴァイオリンの場合は胴体の長さが35.5cm程度と標準化されているのに対し、胴体の長さは38cm~45.5cmとかなりの幅がある。
まちまちなのは、胴体の長さだけではなく、全体の形についても言える。
殆どのヴァイオリンがストラド型かデル・ジェス型を踏襲しているのに対し、ヴィオラの場合は実に様々である。
俗にいうエラの張った角ばったタイプとか、膨らみのあるものとか、実に個性豊かである。
言い換えれば天才ストラディヴァリをもってしても模範となる理想のヴィオラを作るに至らなかったと言えよう。
ヴィオラの弓
ヴィオラの弦は太くて音のレスポンスが遅くなるため、弓の重さはヴァイオリンより約10gほど重いものとなる。
(ヴァイオリンの弓ではC線は鳴らせない。)
だいたい70g前後が適当といわれている。